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ケーキ屋を開業したい
子供の頃「ケーキやさんになりたい!」と思っていた人も多い人気の仕事ですが、実際にケーキ屋を開業するには何がどのぐらい必要なのかを詳しく知っているという人はごく少数です。
ケーキ屋という業種を経営者の目線で、わかりやすく記述していきます。
ケーキ屋開業に必要な資格について
「製菓衛生師」や「菓子製造技能士」などパティシエとして働くには有利な資格はありますが、開業には必須ではありません。開業後店頭に飾っておくとイメージがよくなる程度のものです。
- 食品衛生責任者…飲食業では開業に必ず必要なもの。
- 防火管理責任者…収容人数30名以下であれば不必要。
開業に必ず必要なのは上記2つ。どちらも1〜2日講習を受ければ取得が可能で、費用も1万円以内で済む簡単な資格であります。
「食品衛生責任者」は食品衛生協会、「防火管理責任者」は消防署などで取得が可能。
また経営者としてお店の経営に携わるわけですので、お金の動きなどをつける帳簿などの作業が必須です。確定申告など自分自身でやらなければならず、節税のやり方を知っておくために「簿記検定」などの知識は最低限知っておくといいでしょう。専門家に頼むと費用がかさむので自分である程度はできるようになっておくと得します。
ケーキ屋開業に必要な資金は?
ケーキ屋開業に必要とされる資金の目安についてですが、やはり規模に応じてピンキリです。規模が大きくなるにつれて費用はかさみ、小さければ安く抑えれることもできます。
例)家賃20万20坪の物件の場合
物件所得費 | 200万 |
備品関係 | 200万 |
内装費 | 200万 |
食材や消耗品の仕入 | 30万 |
広告宣伝費、求人募集費 | 15万 |
看板などの施工、デザイン料 | 15万 |
合計 | 660万円 |
ある程度の目安にはなりますが、だいたいこのぐらいあれば開業は可能かと思います。
注意しなければいけないのは、初期費用の分だけ資金を用意するのは間違いです。これに加えて運転資金というお店を開業してから軌道に乗るまで、赤字でも生活ができるお金を置いておかなければなりません。最低でも半年ほどは運転資金として用意しておきたいので、1000万円近いお金がこのぐらいの規模でも必要になってきます。
初期費用にお金がかかればかかるだけ、回収するのに時間がかかるので、できれば抑えれるだけ抑えたいところ。物件を所得する際に、自分のお店のコンセプトにあった「居抜き物件」も視野に入れることで費用削減を目指していきましょう。
資金集めの方法について
資金集めの方法についてですが、主に事業融資を公的機関で受けるというものがメジャーです。国から借りる金利の安い、日本政策金融公庫(通称:公庫)で事業融資を検討するのが一番理想的。
その他一般的なケーキ屋と少し違う一風変わったアイディアなどがある場合、クラウドファンディングなども検討してみるのも一つの手です。
また開業の際に補助金や助成金など利用できる場合があるので、地域の商工会などで話を赴き事前に検討しておきましょう。
ケーキ屋を開業するのに必要な届け出について
ケーキ屋を開業する場合必要な資格については先ほど記述しましたが、実際に開業するにはどうすればいいでしょうか。
- 保健所に行き営業許可をもらう
- 税務署で開業届を提出する
取得した資格を手元に保健所に向かい営業許可をもらいに行きます。内装工事前に前もって保健所に伺っておき、許可内容に基づき店舗づくりをする必要があるため、事前に把握しておきましょう。
許可をもらった後は、営業開始日までに税務署で開業届を提出しておけば届け出は以上で終了です。
開業届けを提出する前に、同時に『青色申告の申請』もできればしておくと良いでしょう。
法人について考える
個人事業として開業するのであれば先ほどのもので開業は可能ですが、会社を設立するとなると必要な手続きと費用がつきものです。
会社を設立するのに必要な書類や、かかる費用について事前に知っておきたい方はこちらの記事を参考にしてください。
新規事業としてケーキ屋を開業するのであれば、個人事業で初めは開業したのちに、一定の収入を得ることができるようになれば法人化を検討するという手が主流であり最善です。
ある一定の金額を超えることで、法人化し税金を抑えることが可能になるため、メリットやデメリットについてあらかじめ知識として知っておくといいと思います。
ケーキ屋って儲かるの?
ケーキ屋が儲かるのかきになる人も多いかと思いますが、収益の面だけで見ればごく平均的です。儲かっている事業主は年間1000万円を超える人もいますが、逆に赤字経営である事業主も多いです。
黒字経営は全体の35%ほどで残り65%は赤字経営であり、この数字はごく一般的な事業の数字とほぼ同一。
儲かるのか?と聞かれれば、人それぞれである。といった具合です。
初期費用は抑えるべき
『儲かるビジネスの3原則』と言われている言葉があります。
- 初期費用が安い
- 利益率が高い
- リピート率が高い
この3つが揃っているビジネスが儲かりやすいと言われておりますが、ケーキ屋の利益率は10~20%で高くありません。
開業するのであれば1と3は努力で補うことが可能。初期費用は削れるところは削る必要があります。物件所得費や内装工事費など交渉できるところは交渉し、仕入先のルートなども見直し費用はなるべく抑えましょう。
飲食業は比較的リピートをつけやすい商売でありますが、同時に競合店が多く競争が激しいので、リピートをつける努力も同時に必要です。
成功するポイント6つ
ケーキ屋をせっかく開業するのであれば、潰れないお店を作っていくことがまず重要です。そのためにも必要な項目が6つあり、これらを守ることで成功への一歩を踏み出すことができるでしょう。
コンセプトとターゲット客層
「値段設定はいくらぐらいで、どういった商品を提供するのか?」といったお店のコンセプトをまず明確にしましょう。
その後どういった客層をターゲットに売り出していくのか、販売経路などもしっかりと開業前に練っておくことが重要。
コンセプトとターゲット客層が合って初めて購買意欲が生まれ、商売ができるというものです。
例をあげるなら『大学生向けに、高級素材をふんだんに使った洋菓子』はコンセプトと客層が一致していないので失敗のパターン。
まず第一にこれらを明確にしておく必要があります。
立地の選定
設定したコンセプトに基づいて立地の選定を行います。
地域のエリアごとに、住んでいる客層には偏りがあるため、コンセプトに合った客層が眠る地域を狙って出店場所を決めましょう。
店舗ビジネスにおいて来客が見込める顧客が眠る場所を商圏と言いますが、飲食業では出店予定場所から半径500m以内を商圏と定めるのが一般的。徒歩5分〜10分以内の圏内でどれだけ目当ての客層がいるのかをマーケティングし、しっかりと立地を選定しましょう。
コストパフォーマンスを重視
リピート率を高める要因として、コスパ(コストパフォーマンスの略)が良いというのがあります。
『顧客が購入した金額より満足度を得られるか。』今の時代では必須の項目で、コスパがいいお店であればリピート率が高くなり、お店を継続できる率も同時に上がります。
商品や接客の質を高め、お値段以上を提供できれば必然と強いお店をつくっていくことができるでしょう。
集客方法の確立
SNS・チラシ・ホームページ・広告媒体・口コミなど集客方法は様々ありますが、重要なのは自分のお店のコンセプトに合った集客方法で勝負することです。
立地にお金をかけ一等地に出店するのであれば、お金をかけて熱心に集客する必要は特にありません。それ以外で例をあげて言うならば…
駅から離れた場所であれば地域密着でチラシやSNSを活用する。
繁華街で通行人が多いエリアなどでは広告媒体などで客寄せを行う。
原価率を上げコスパを高めたオリジナリティ溢れる商品を販売し、口コミで宣伝効果を狙う
などかけた費用に対して効果がどのぐらい出たかといった『費用対効果』が高い集客方法というのは、自分のお店の経営方針にバッチリと合った集客方法です。
事業計画を行う際に、どうやってターゲットの客層を集客していくのかも合わせて計画を練っておくべきです。
数値管理をしっかりしよう
利益率をあげるためにロス管理、経費の削減などは飲食店ではかなり重要な項目です。
しかしながら注意しないといけないのは、人件費等の費用は下げれば下げるだけ良いってものではなく、商品やサービスの質は下げずに利益を上げていくということが大事です。
同じ商品でも販売経路を選定することで原価を削減したり、不要な光熱費などの削減、家賃の交渉等できることは山ほどあるので、経営者たるもの利益を追求し不要は除く努力は必要不可欠です。
競合店との差別化
競合店が多く競争の激しい飲食店ですので、商圏内のライバルとなるお店はきちんと把握しておき、差別化できるよう営業することが大切です。
ライバルに打ち勝つことで長く継続できるお店づくりをすることが可能。このお店でしか食べれない独自の商品などの『看板メニュー』などがあれば、顧客の流入も見込めるはずです。
周りのお店と同じように営業するのではなく、オリジナリティを追求することが繁盛店への道です。
ケーキ屋開業のまとめ
成功するポイントを踏まえて、開業の際にはしっかりと事業計画を練りお店づくりをしていきましょう。
利益率の高い業種ではないので、しっかりと利益を確保できる経営の腕が問われます。
数値管理もしっかりと行い、初期費用等抑えれる費用はしっかり抑えましょう。長く継続して利益をあげることができるお店づくりをしていってください。