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青色と白色の違いについて
青色申告と白色申告ですが、税務署の届け出に使う紙の色からこのように呼ばれています。税金の申告方法についてこの2種類がありますが、ざっくりと簡単に説明するのであれば…
- 白色申告 申告は多少楽になるが特典はもらえない
- 青色申告 手間がかかる分特典がある
特典というのは税金に対しての控除額が大きくなるという特典です。要は青色申告であれば白色申告と比べて、書類が多くなるが税金が安くなると言うことです。
どのような手間が増えるの?
青色申告の場合手間が増えると言いましたが、増える手間というのは『毎日の記録をつけなければいけない』という点です。
簿記などの知識をが必要不可欠な“複式簿記”に基づいての記録が必要です。毎日の仕入れや現金の動きなどを、“勘定科目”という決められた言葉できちんと記入していく必要があり手間暇がかかってきます。
<複式簿記の書き方の例>
このように毎日の動きを帳簿という記録する作業を行わなければならず、時間的拘束は計り知れません。その分税金の節税としての還元があるということです。
会計ソフトといい有名な『弥生会計』などのソフトがあれば比較的簡単に進めることが可能。難しいことがいやだという方は白色申告で、多少時間をかけても税金を安くしたい方は青色申告で考えるのが一般的です。
青色申告の特典って?
手間が増えてしまう青色申告ですが、白色申告とは違う特典はどのようなものがあるでしょうか?
最大で65万円の税金の控除ができる
青色申告で提出する際に先ほど記述した“複式簿記”で提出するならば税金の控除が65万円と高額な控除をすることが可能です。
※法律の改正により55万円に引き下げ、期限内に電子申告(e-Tax)を行うなどの追加の要件を満たせば65万円に変更。
また“簡易簿記”という“複式簿記”より簡単な申告であれば10万円の控除になるということもあり、きちんと申告するなら65万円、簡単に申告するなら10万円の控除と振り幅があります。
家族への給料を経費で処理できる
青色事業専従者給与といい、支払う給料を経費として処理できます。
- 青色申告者と生計を一緒にしている配偶者などの親族
- その年の12月31日時点で年齢が15歳以上であること
- 青色申告者の営む事業にもっぱら従事していること
上記基準を満たす必要がありますが、払う給料を費用として計上できるので節税のポイントになります。別居等でも生計が一緒であれば控除は可能。15歳以上で1年の半分以上働いているのであれば条件は満たされます。
30万まで一括償却資産にすることが可能
基本的には資産の購入を行うのであれば“減価償却”といい、国税局が定める“耐用年数”で割り償却していかなければなりません。
要するに「この備品はこれぐらい使えるでしょう?」と使えると国が決めた年数で、買った金額から割算し、年毎に徐々に経費として処理しなければならないもの。
「今年は利益がめちゃくちゃ出たから買い物して経費で処理しよう」と行動しても、金額が高くなれば一括で処理ができません。その金額の上限が青色申告であれば30万まで処理が可能になるというわけです。
※“耐用年数”に関しては国税局のホームページから検索が可能です。
赤字の繰越が三年間可能
事業が赤字経営となってしまっても、白色申告制度であれば赤字の繰越ができません。その青色申告であれば赤字の繰越が三年間可能です。
赤字の繰越が可能ですので、次の年を経営圧迫することなく経営が可能です。
白色申告のメリットは無いに等しい?
どのみち申告をしなければならない為、白色で申告するよりは青色申告で考えていた方がいいかと思います。唯一のメリットとするのであれば、税務署に青色申告の紙を提出する手間が無い程度のもの。
個人事業から法人成りする場合も、青色申告であることが望ましいので、迷ったらとりあえず青色で申告することをおすすめします。
法人は青色申告制度
会社は“複式簿記”での帳簿が義務付けられています。法人であれば青色申告制度で申告が税金が安くなるのが当たり前で、白色はデメリットしかありません。
<個人から法人化する、法人についての記事>
まとめ
青色申告制度と白色申告制度ですが、白色のメリットは無いに等しいのが現状です。どちらにしても申告はしないといけないので青色の方が得です。
個人事業として開業しても、収入が増えてくれば法人化も考えなければなりません。結局はしなければならない帳簿をつけるという作業なので、最初からやっていても損はありません。
フォーマットを活用すれば比較的安易に帳簿付けが可能。活用するにあたって掛かってくる費用も、控除の金額から余裕でペイできる為、青色申告制度で開業することをおすすめします。