税理士試験は難関の国家試験です。
1年で5科目すべてを一発合格できる方はほとんどいません。仕事をしながら取得を目指し、10年以上の月日がかかる人も多くそれだけ難しい資格。
晴れて試験に合格した後は税理士として独立を考える人も多いかと思いますが、一度どこかの税理士事務所で務め、クライアントとの実績を積むことも大切です。
目次
始めに知っておいてほしい事
税理士として独立開業する場合、9割は失敗しないと言われております。
開業後多くの方は、一人で余裕をもって生活できる収入があるのは事実ですが、従業員を増やし事業を拡大できている方はほんの極一部。
税理士の資格があれば普通に就職すれば比較的余裕のある生活を送ることができるため、せっかく開業するのであればそれ以上のステップを目指すべきです。
開業し事業を拡大できている人の多くは、資格所得後下積み生活を送り、良質なクライアントをつけた後に独立している人がほとんどです。
一昔前と比べてクライアントの数が減ってきている現代ですので、顧客の取り合い競争に勝ちに行く姿勢が無いと、一つ上のステップに進むのは難しいといえます。
開業資金の目安
税理士として開業資金として必要な項目がいくつかあります。
- 税理士の登録費用と年会費…登録費用11万円+年会費平均10万円前後
- 事務所の設置…レンタルオフィスなどの賃料、自宅開業で抑えることも可能
- web環境や会計ソフト…パソコンや会計ソフトなどの費用
- 広告宣伝費…web集客、ホームページ、名刺など
事務所など土地や規模によって契約金にも幅がありますが、開業資金の目安として100万円以内には収まることがほとんどです。
一般的な事業の独立としては破格の安さであり、資格取得が困難な分開業の段階では金額負担等、比較的楽な部類に入ります。
税理士の開業方法について
所属税理士会への申請手続きを行ったのち、税務署等で開業申請することで開業が可能です。
<申請手続きに必要なもの>
- 変更登録申請書 1通
- 変更登録申請に関する届出書 1通
- 写真 (縦2.8センチ×横2.4センチ)
- 事務所所在地の賃貸借契約書のコピー、 事務所設置同意書、登記簿謄本のコピーなど
- 変更登録手数料 5,000円(郵送の場合は現金書留で送金)
引用元:https://zeimukeiei.jp/columns/1905
上記手続きをすました後、税務署で以下の届け出を提出することで、個人事業として営業することができます。
個人事業の開廃業等届出書
青色申告承認申請書(白色申告の場合は不要)
給与支払事務所等の開設届出書(従業員を雇用しない場合は不要)
源泉所得税関係届出書
また法人として開業する場合は届け出が少しややこしく時間と費用がかかってきます。会社を設立する場合であれば、時間に余裕を持って行動しておいた方が良いでしょう。
開業するメリット
雇用から開業税理士になるメリットとして代表的なものが2つあります。
- 収入アップが見込める
- 働き方に自由ができる
税理士になり雇われる働き方であれば、だいたい年収800~900万円が相場です。この上限を破り収入をもっと増やしたいのであれば、開業を視野に入れるべき。開業税理士として成功すれば桁違いに収入を増やすことが可能。
また働き方も自分で決めることができます。開業し自由度が増え満足したという開業税理士も多いです。
開業するデメリット
メリットもあればデメリットも存在します。
- 失敗する可能性
- 仕事量の増加
開業に失敗してしまう可能性も捨て切れません。冒頭でも記述しましたが、9割は失敗しないということは、残り1割は失敗しているということです。
また開業税理士は経営者であるということを忘れてはなりません。一経営者として税理士の仕事にプラスして、帳簿などの数値管理や従業員の人材管理等仕事が増えます。この辺りは気をつけておかなければならないポイントです。
開業に失敗し後悔しないために。
開業に失敗しないために、気をつけておかなければならない項目と心構えについて。
- クライアントを増やす努力を怠らない
- 自分の得意分野を伸ばす
- 営業力を磨く
- 量より質を重視する
クライアントの数は売上に比例します。日々クライアントをどう増やしていくのかを考え、実際に収益を増やしていかなければなりません。
そのためにも自分の得意分野を伸ばし、差別化を図ることでクライアントからの信用を獲得しましょう。また営業力を磨き仕事の受注量を増やす心構えも同時に必要です。
注意しなければならないのが、自分自身を安売りし仕事をとる方法は控えた方がいいでしょう。適正な価格で勝負し、クライアントの満足度をあげるために金額を下げるのではなく、付加価値をつけて満足度を高める方が自分のためにもなります。
開業に失敗しないようこれらの項目については注意しておいてください。