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懐かしの駄菓子屋を開業したい!
駄菓子屋の現状についてまず把握しておきましょう。
駄菓子屋の開業を本気で考えるならば、まずは駄菓子屋の現状についてしっかり把握しておかなければなりません。経済産業省のデータによると、1970年には約14万軒の駄菓子屋が存在していました。しかし時がたつごとにその数は減少しており、2007年には2万5,000軒にまで少なくなりました。駄菓子屋で働く従業員数もまた、同時期で25万人から10万人にまで減少しています。
それだけでなく、顧客側の著しい減少もあります。昭和のバブル期には一日の売り上げが3万円ほどになることがありましたが、現在では5,000円未満の店舗がほとんどだといわれています。そうなると、実際利益として手に入るのはわずか1,000円ほどのものです。
引用元:https://archicloud.jp/sonota/17764/
駄菓子屋は過去の産物です。現代で新たに開業しようと思っていても需要が少なく駄菓子屋一本であれば経営は難しいと言えます。
お菓子の販売価格は仕入れ値の120%が基本
"10円のお菓子を仕入れたのであれば,販売価格は12円で利益は2円です"
これが多いか少ないかは人それぞれですが、一般的の業態の利益率でみるとかなり少ない方です。
そのため商品を入れる袋や店舗の電気代やガス代などの変動費を含めると、非常に経営は難しいと言えます。
家賃などの固定費などを支払う利益が取れずに閉店するお店も多々存在します。
私が知っている駄菓子屋は6店舗あります
うち3つは店主がご老人です
そして残りの3つですが、1つは薬屋も兼ねていて、つい先日まで営業していたのですが、潰れてしまいました
2つ目は駄菓子オンリーだったのですが、どうも場所が悪かったのか目の前にある自販機も買い手が少なかったのか潰れてしまいました
3つ目は唯一若いお兄さんが営業していたのですが、これもつい先日潰れてしまいました…
駄菓子屋はおそらく駄菓子としての儲けはあまりないのでしょう
悪いことばかりではない!駄菓子屋のメリットについて
駄菓子屋の経営は難しいと記述しましたが、何も悪いところばかりではありません。駄菓子屋のメリットについてまとめていきます。
小規模で開業が可能
販売スペースが小さくても開業が可能です。駄菓子自体場所をとるものでもないので小さい箱で簡単に商品を陳列することができます。
そのため家賃などの固定費が安くすむというメリットがあり、毎月の支出が少ない業態です。
初期費用が安い
小規模開業で家賃や契約金などが安くすむのはもちろんのこと、機材なども特に必要が無いため初期費用が安いのが特徴です。
簡単に言えばマンションの1室を借りそのまま開業しようと思えばできるということ。
一般的に言えば100万あれば開業ができるといわれており、他の業態と比べて安価で開業が可能です。
開業スピードが早い
飲食店や美容院など開業しようとすれば数ヶ月はかかる開業期間も、駄菓子屋であれば店舗を契約した後商品を仕入れれば次の日には開業が可能です。
自宅開業で開業する場合など1日あればすぐに準備ができます。
思い立ったらすぐ行動できる業態であり、開業準備にかかるストレスもほぼなく開業できるのがメリットです。
資格が必要なく誰でも開業が可能
扱う商品によっては食品衛生責任者の資格が必要な場合がありますが、駄菓子のみの販売であれば必要はありません。
特に資格がいらないため簡単に誰でもすぐに開業できます。
資格所得にかかる時間もこの業態であれば必要なくストレスにもなりません。
成功している駄菓子屋の特徴
経営難に陥り閉店してしまう駄菓子屋が多い中、成功している駄菓子屋も存在します。
経営ができている駄菓子屋の特徴はこちら。
趣味で営業している
駄菓子屋を営業している人は高齢者が多いと思いますが、これは年金暮らしの趣味で経営をしているケースがほとんどです。
自宅の一室で開業している場合など家賃がかからず支出を抑えることで経営ができているパターン。
趣味で子供や昔を懐かしむ大人が度々おとづれる駄菓子屋で、老後の楽しみとして行うのはある意味一番の成功者なのかもしれません。
駄菓子以外での収入を得ている
店頭に自動販売機やガチャガチャなど子供が喜ぶものを置いているお店は見たことありませんか?
駄菓子屋として経営しつつこれらの契約で副収入を得ているパターンもあります。
また駄菓子のみではなく、本や雑誌など資格がなくとも販売が可能なもので売上の底上げをしている駄菓子屋も同じ系統です。
時間帯で業態を変更している
昼間は駄菓子屋として子供をターゲットに経営し、夜はバーや居酒屋などにシフトチェンジしているお店も少なからず存在します。
駄菓子屋1本で店舗を借りて営業することは非常に難易度が高いので、業態そのものを時間帯で変えてしまうパターン。
違う業態で収益を取りつつ、やりたい駄菓子屋の経営をするという方法です。
開業は自宅?居抜き?スケルトン?
開業する場合の物件の選び方についてですが、ぶっちゃけ自宅開業が一番向いている業態です。
駄菓子の販売以外にも収益を得る方法があるなら、物件を借りても経営は成り立つかもしれません。その場合は初期費用が抑えられる居抜き物件が理想ですが、駄菓子屋の居抜きはほぼないと言ってもいいでしょう。
似たような業態のお店の居抜きを探すことで、電気工事費や内装工事の費用を抑えましょう。
開業するにはどうすればいいの?
駄菓子屋は開業届を出すだけで基本は開業が可能です。
自分のお店のオリジナリティを求め、店内でお菓子を作ろう!などの場合であると保健所を通して開業しなければならないので、食品衛生責任者の資格が必要な場合があります。
駄菓子屋のみの営業であれば個人事業主としての開業がほとんどですので、開業届を税務署で提出するだけで簡単に開業ができてしまいます。
おわりに
駄菓子屋一本で稼ごうと思っても難しいのが現状です。
副収入を得ながら経営をするか、業態そのものを時間帯で変えて利益を取るなどの工夫が必要です。
定年後自宅で開業し、老後の人生を送るという生活費の足し程度のものであれば、開業も簡単な為おすすめできる業種です。