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上場(IPO)するとどうなるのか?
上場すると会社の株を自由に売買することが可能になります。
証券取引所が開設する株式市場で、不特定多数の投資家が株を売買することで資金集めが可能に。
実際問題として「上場した会社は儲かるのか?」といった疑問についてまとめていきます。
上場したら儲かるの?
上場することで株を売買することができ、一夜にして多額の資金を得ることは可能になります。
会社の株の買い手が増えれば増えるほど、株価は上がっていき、経営者も持ち株を売買することは可能。
ただし注意点として、経営者が売買できる株式には限度があり大量に売却すると証券会社や投資家からストップがかかってしまう。
上場時に株式の5〜10%ほどであれば売却は可能でしょうが、経営者が自社の株式を売るという行為は、投資家から経営から手を引こうとしていると見られてしまい売材料にされてしまう可能性が高いです。
苦労して上場した後、自社株を売買することで現金を手にするのは現実的ではない。というのが一般的な見解です。
バイアウトの方が儲かる
バイアウト(Buy out)とは、日本語で買収を意味します。
対象の企業の株式を買収することで、経営権を取得する方法のこと。
上場企業・非上場企業を合わせて、経営者の年収は平均3000万円ほど、ベンチャー企業であれば2000万円ほどだと言われています。たしかに、上場企業であれば数億円もの報酬を得ている経営者も存在しますが、それは例外です。
それ以上の報酬を得ようとすれば、市場に対してその妥当性を説明しなければなりません。上場すれば投資家はさらなる利益の向上を求めてきます。上場企業の所有者は株主だからです。
それが、上場してパブリックカンパニーになるということです。つまり、上場して得られるものは、売却したくてもできない持ち株と1~2億円ほどの現金です。正直割に合わないと感じる人が多いのではないでしょうか。
もしも儲けを求めているのでしたらバイアウトの方が良いと言えます。もしも自社の時価総額が20億円でしたら、経営者がすべての株式を保持している場合、それをバイアウトすれば20億円がそのまま手に入るということです。
引用元:https://inqup.com/listing-profit-extend
上場するメリット&デメリット
上場するために相当な苦労が必須で、そこまで儲からない一見割に合わないと言えるでしょう。
上場する意味というのは、自社を成長させることができるというのが大きなポイント。
【上場するメリット】
- 会社の知名度があがる
新聞や雑誌、テレビなどでピックアップされる可能性も増える
- 資金調達が容易になる
株の売買で資金調達ができ、業績が伸びることで株価のさらなる上昇から、さらなる資金の調達にも期待
- 取引先や金融機関からの信用が向上する
上場企業になると会社の財務情報の公開などから、取引先からの信用も飛躍的に向上する
- 社会的信用が高い
上場することで銀行などからの信用度も高くなる
- 優秀な人材が集まってくる
大手企業というイメージから、優秀な人材も集まりやすい
- ガバナンスが強化される
上場の審査基準でもあり、コンプライアンスが強化される
- 社員の意識が向上する
上場することで会社の知名度も高まり、社員の意識も向上する
【上場するデメリット】
- 上場すると維持費がかかる
年間上場料と呼ばれる維持費を払わなくてはいけなくなる。上場時の時価総額が50億円以下の場合、1年間に東証1部で96万円、東証2部で72万円、マザーズでは48万円など。
- 社会的責任が増加する
社員が不祥事を起こした場合など、社会的に強く批判される可能性があります。ブランドイメージの低下などにも直結するため、気をつけなければなりません。
- 買収される可能性
株式を公開しているので、ライバル会社や投資ファンドから買収されることもあります。
- 株主の意向に沿った経営方針が必要
経営者の方針だけで経営を進めることができなくなり、株主の意向に沿った経営方針が必要になります。
上場にはこのようにメリット、デメリットがあります。
十分に検討したのちに上場するかを検討するといいでしょう。
結論:経営者個人の儲けを考えるのは間違い
経営者個人の儲けを考えるのであれば、苦労したのちに得られる対価としては少ないと言えます。
上場は自社を成長させるための手段の一つと考え、メリットデメリットを考慮し検討すべき。
上場すれば非上場の時と比べ、取引先も上場企業になり大きなお金が動くようにもなります。会社を大きくするためのとして捉えるのがいいと思います。